装いの「引き出し」開ける気持ち華やぐ甘美な時間ドゥロワー名古屋店に足を踏み入れると、すぐ目に入るのは、腰ほどの高さのアンティーク調家具。そこに並べられた服や靴たちを見ていると、まるで宝箱を覗き込むような気持ちに。最初は、その品格ある佇まいに「少し敷居が高いかも?」と感じても、一歩足を進めると、店内はクラシックでありながら、気取らない優雅さが漂い、どこかほっとするような穏やかな気持ちに包まれていくのです。品ぞろえや雰囲気を裏打ちしているのは、「年齢を重ねるごとに魅力を増し、自分自身を楽しんで輝く大人の女性をもっと輝かせたい」という、スタート以来のブランドの思いです。内外のセレクトショップをたくさん巡ってきた私の目から見ても、ドゥロワーは「別格」な存在です。先日、東京都内にあるドゥロワーのショップをふらりと訪れたときのこと。新作アイテムに目を奪われながら、ゆっくり店内を歩いていると、顔見知りのジャーナリストとばったり。お互いに思わずにっこりと挨拶し、心の中で「やはり、ここに来るんだな」と軽い共感が生まれました。ファッションの最前線にいる人々も自然と足を運ぶ場所、それがドゥロワーなのだと改めて感じた瞬間でした。イテムにも定評があります。今のおしゃれ気分と、時を超えて愛される普遍的なエレガンス。この二つは、時に相反するように感じられることもありますが、両者を見事にマリアージュさせたスタイリングこそがドゥロワーらしい提案です。お客様も思い思いにアレンジを利かせた着こなしを楽しんでおいでで、ハイエンドなリアルコーディネートに触れられて、プロにとっても学びや気づきをもらえる場所です。ワーが顧客に愛される理由を聞くと「長く愛着が持てるベーシックなアイテムに、モードなアイテムを加えることによって、大人の女性ならではの凛としたスタイルに仕上がることではないでしょうか」とのこセレクトの目利きに加え、オリジナルア名古屋店の伊藤奈美子店長に、ドゥロと。毎月新しいコレクションがショップに届き、シーズンやタイミングにぴったりなアイテムとの出会いは、まるで宝探しのような気分に誘われます。「名古屋店には勤続歴の長いスタッフが多く、お客様とのつながりがとても深いという、特別な強みがあります。もちろん、初めてのお客様からもしっかりお好みやご希望をうかがうことで、これまで気づかなかった〝ドゥロワー(引き出し)〟を開けるご提案をいたします。その長年の積み重ねは顧客様との信頼関係につながっています」と、伊藤店長。マに選ばれたのは「Boudoル)」。「17〜18世紀にヨーロッパの邸宅に設けられた、貴婦人専用のプライベートな部屋のことです。読書やおしゃべりなどの場になり、思い思いのファッションをま逸品からもらう高揚感ブドワールへようこそ202425年秋冬シーズンのテー(ブドワーとったレディーたちが優雅な時間を過ごしたサロンのような空間でした」と教えてくれたのはドゥロワーPRの藤田幸さん。レディーライクなドレスに加えて、デイウエア、スポーツウエアなど、さまざまなシーンに合わせたアイテムが秋冬のおしゃれモチベーションを押し上げてもらえそうです。アーティスティックディレクターが秋冬コレクションに込めたのは、「着ることが幸せな自分へと導いてくれるように」という想い。「日常から離れて至福の時間を過ごしていたというブドワールで、現代の女性たちはどんな服を着るのか」という想像からコレクションが生まれたそうです。女性同士の連帯を指す「シスターフッド」という言葉が生まれるずっと前から、貴婦人たちはブドワールで親しく強い絆を育んでいました。久しぶりに再会する、大切な人たちと過ごせるのもホリデーシーズンの愉しみ。ドゥロワーのお招きにあずかって、ひそやかなブドワールサロンの扉を開けてみませんか。ir-多彩なメディアでコレクショントレンド情報をはじめ、着こなし解説、スタイリング指南などを幅広く発信。複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスも経験。自らのテレビ通販ブランドも持つ。企業向けアドバイス、イベント登壇もこなす。「毎日ファッション大賞」選考委員。Yahoo!ニュース エキスパート。著書に『おしゃれの近道』(学研パブリッシング)ほか。ベージュ×イエローの配色が上品なショート丈コート。裾のカッティングや深めに入ったスリットがクラシカルな雰囲気です。コート 税込¥163,900(ドゥロワー)英国テキスタイルの歴史のなかでも最古のブランド「ジョシュア エリス」のストール。カシミヤのやわらかな肌触りとしなやかな素材感がつくるカラフルなチェック柄が上品に映えます。ストール 税込¥93,500(ジョシュア エリス)ファッションジャーナリスト宮田理江 Rie Miyata09IntervieweeMidland Square Winter Book 2024
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